大坂夏の陣、大阪城は徳川家康に攻められ落城寸前であった。大阪方の大將?秀頼の母?淀の方は、秀頼に嫁いだ家康の孫?千姫が城から連れ出されようとするところに出くわし毅然と阻止する。そんな中、いよいよ徳川方の軍勢が間近に迫り、城內は炎に包まれ亂戦となる。糒庫(ほしいぐら)へと避難した淀の方は、千姫が混亂に乗じて城から逃げ出したことを知り、怒りのあまり錯亂してしまう。正気を失った母の姿を見た秀頼は、母を殺して自害しようとするが、豊臣家のために降伏するよう勧められ、涙ながらに開城を決意するのだった。落城の混亂の中においてもつらぬかれる母子の愛を綴る坪內逍遙の名作にご期待ください。